叱責や説教は無意味な行為

2021年03月04日

一昔前は、なにか失敗があると 怒鳴られたり説教をされる事は 当たり前でした。
しかし、それらの行為に 意味はあるのでしょうか。
私は それらの行為に全く意味がないと思います。

叱責や説教の目的

叱責や説教は 相手の精神に負担を与える行為です。
つまり、それにより 本人に同じ事を繰り返させないための処置です。

しかし、精神に負担を与えるという事は、
話の内容も 当然頭に入る状況ではありません。

説教や叱責を行っている側は、
『怒られたくなければ、ちゃんとしろ』と、
説教は相手が受けたくない事は 理解しているはずですが、
それまでに話した内容も 聞き入れてもらいたいなどと考えるのは、
いくらなんでも都合がよすぎるでしょう。

時間の無駄

ハッキリ言うと ただの時間の無駄です。

例えば 製造ラインにおいて 作業に少し遅れが生じたからと、
ライン全体の進行を止めて 説教の時間に入っては本末転倒です。
リーダーは、実際に時間的損害が発生する事よりも、
『遅れたという事実』が生じてしまった事に 腹を立てて、
さらなる時間的損害を 自ら生じさせてしまっているのです。

受けている側も、説教など受けなくても、決して失敗したくてしたわけではなく、
失敗した原因を 自ら見直し、ちゃんと直せる所は直したいと思っているはずです。
なのに、そこで長時間の説教や叱責に入られると、
なぜ失敗したのか その原因も忘れてしまったり、
早く直したいのに 直せないという事態に陥ります。

言われる側も、激昂した相手に なにか言うと
火に油を注ぐ行為であると わかっているため、
ただただ嵐が過ぎ去るのを待つばかりです。

私も 時間配分が出来ていないからと
数分もの説教を 何度も繰り返し受けた事がありますが、
その説教をする行為自体が 矛盾しているのだと思います。
時間配分なんて 業務が慣れてくれば出来るようになるのですから、
まずはとにかく 何かをやるのが一番です。

再発防止策になるのか

再発誘発にしかなりません、

説教を受けると、精神が疲弊します。
また、感情的な上司から 常に睨まれている現場では、
そのストレスも 異常なものとなります。
そんな状況で より正確な作業が出来るのかと言うと、
それは無理な話でしょう。

度重なる説教や叱責に疲弊した精神、常に監視の目が光る状況。
そんな状況で 再発防止など 望めるわけがありません。

効果はないがエスカレートする理由

説教や叱責は、改善に全く効果がないはずなのですが、
上司側は そうとは気づかず、「効果がなければ不足している」と考えてしまいます。

そのような考えから、叱責の頻度や内容が どんどん膨れ上がり、
さらには それが原因で失敗を起こし、
その失敗を理由に叱責が行われるという、悪循環が起きてしまいます。

目的が変化する

『言われたくなければ、きちんとやれ』では、
その目的が 大きく変わってしまいます。

「正確な作業で よい物を作る」という目的から、
「怒られないようにする」に、変貌してしまいます。

怒られないのであれば、よい結果を出している証なのではないか。
そう思うかも しれませんが、要は「怒られなければいい」だけなので、
監視の目に ひっかからなければいいわけです。

その行動も、
「上司の思っている行動を見せる」「都合の悪い事実を見せない」
つまりは、隠蔽や偽装に 走ってしまいます。

もちろん、そのような行為も バレれば怒られるかもしれません。
しかし、どのみち怒られるのであれば、
それが回避できる可能性のある方に 賭けてしまうものです。

現実の問題

説教や叱責が繰り返される環境で、実際に起っている事は、
自殺不正です。

説教や叱責がエスカレートし、やがては相手の人格否定にまで走ってしまいます。
さらにひどい時には『殺すぞ!』などという事も 平気で言う場合もあります。

そんな社会人として 明らかに異常な言い方を繰り返されてしまえば、
言われる方も「殺人以外は問題ない」と考えて 不正を行う事も考えてしまうでしょう。
成人して 分別もつく大人なはずでも、
理不尽な事が起これば、どんな人だって 変わってしまうものです。

辞められない事情

そんな環境が嫌なら 辞めればいいのですが、
残念ながら 逃げ道もないのも また事実です。

日本は、早い退職は次の就職に支障をきたすという風潮から、
辞めたくても辞められない状況です。
社会のレールから1歩でも外れると、這い上がるのは非常に困難であるため、
たとえ どう観ても異常であっても、数年間は続けなくてはならないと考えてしまいます。

そして、そんな逃げ場のない状況で どうしても耐えられなくなったら、
道は残されておらず、自殺してしまう若い人も少なくありません。

過去は変える事は できないのですから、
転職回数やブランクが 転職に支障が出るという状況では、
最終的には自殺してしまう人がいても 不思議ではないでしょう。

昔はそれで正しかった?

今も昔も間違いであった。私はそう思います。

現在は「パワハラ防止法」などが出来たり、
これらの行為に 対策を設けるように なってきましたが、
昔は そのような事はなく、耐える事が求められていました。

しかし、今になって それも限界になってしまったのです。
非正規雇用の増加などにより 終身雇用が破綻したうえに、
短期的な景気回復のための リストラも横行し、
そのうえに すぐに辞めたら 転職が困難になるという状況
などという崖っぷちに立たされているわけですから、
自殺者が増えてしまうのも 無理もありません。

たとえ経歴を汚そうが、限界が来たら 辞める勇気も必要です。
達成不可能なノルマに追われ 不正を働いたり、後がないからと自殺をしてしまうよりも、
転職の難度は多少上がるでしょうが、
精神が安定しているうちに スッパリ切り替えてしまう方が一番です。

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